シャドーハウスの魅力の一つは、その不思議な世界観について思いを巡らせていけることだと思っています。そんな中でも特に考えさせられるのは「シャドーとは何?」「生き人形とは何?」という2点でしょうか?
しかし、考察するにあたって色々忘れてしまいがちな細かい設定や要素があるかと思います。そこで本記事では各話で出てくる「シャドー」「生き人形」の情報について、本の中で記載されている事実を淡々と羅列してみました。
(時折事実から示唆される点について言及していますが、私的な考察は入れていないつもりです)意外と忘れやすい設定もあったりするので、僕目線で重要だと思った情報については赤字としています。概ねシャドーおよび生き人形に関する情報について網羅したつもりですが、「他にもこんなところ見落としているよ!」という情報があれば教えていただけると幸いです。
本記事が皆さんの考察をより深めることに役立つと幸いです。
本記事は1巻分になります。
2巻分はこちらをご覧ください。
目次は以下の通りです。話数ごとに分けて記載しています。ネタバレとなる可能性もありますので、未読の話数を読む場合はご注意ください。
話数ごとにわけているのはネタバレ防止と、情報が出てくる順番・タイミングにも先生の意図が入っていると考えるからです。
- 1話:ケイトとエミリコ
- 2話:壊れた生き人形は
- 3話:説明書
- 4話:すすだるま
- 5話:空腹
- 6話:鏡
- 7話:別の顔
- 8話:部屋の外には
- 9話:すす取りの間
- 10話:落ちない汚れ
- 11話:お披露目前の二人
- 12話:汚しながら
1話:ケイトとエミリコ
P1
・[シャドー]貴族のまねごとをしている者たちである。
・[シャドー]人々は誰もその者たちの顔を知らない。
⇒ シャドー以外の「人々」の存在が示唆されている?
・[シャドー]シャドーには顔がない。
・[シャドー][生き人形]シャドーは"顔"として"生き人形"を従える。
・[生き人形]沢山並べられた棺から出てきている人型が生き人形と思われる。
⇒ 生き人形が生まれるシーンか?
P2-3
・[シャドー][生き人形]エミリコとケイト様は背格好が瓜二つな存在。
⇒ 例外があるかは不明。
P6
[シャドー][生き人形]生き人形は従者としてシャドーの部屋の汚れを掃除する。
P8
・[シャドー]一人称は自分の名前。(ケイト様)
P10
・[シャドー]シャドーも洗顔は行う。
・[シャドー]タオルにすすが付着することから、洗顔直後の顔からもすすが出ている。
・[シャドー]すすが出る量は日によって違いがある。
・[シャドー]洗顔して顔を拭いたタオルを見たエミリコに「お顔がうつって」いると指摘される。また、タオルで「目」「鼻」「口」の部分がすすで汚れていないように見える。
⇒ 黒くて見えないだけで目鼻口といった器官は存在している。
P12
・[シャドー]横顔であれば多少表情がわかるかもしれない。(エミリコ談)
・[シャドー][生き人形]シャドーと生き人形は背格好が瓜二つであるが性格は異なる。
※ケイト様の「何もないのによくそんなに笑えるわね」などより。
P13
・[シャドー]横顔、お洋服、生き人形がシャドー(ケイト様)にとっての大切な「個性」である。
⇒ その他のシャドーにとっては不明。
P14
・[シャドー]シャドーがすすが出ることについては触れてはならない現象ではない。
・[シャドー]すすは怒ったり良くない感情のときに出る。(ケイト様談)
P15
・[シャドー]すすが出ている原因の感情が落ち着くとすすは出ない。
2話:壊れた生き人形は
P19
・[シャドー]シャドーもお風呂に入る。
・[生き人形]生き人形はシャドー家のために作られた。(エミリコ談)
P22
・[生き人形]人形であるが痛みはある。
⇒ 「人形なのに痛みがある」というセリフから、「人であれば痛みがある」ことをエミリコは知っている。
P23
・[シャドー]「ケイト様は良くない感情のときにすすが出やすいそうです」(エミリコ談)
⇒ 「出やすい」なので、良くない感情の時以外でもすすは出るということ。
・[生き人形]生き人形は正確に人を模して作られている。(ケイト様談)
P24
・[生き人形]人の形をしているのは動いて働けてシャドーに似ていて"顔"があるから。(ケイト様談)
・[シャドー]「ケイト様は人ですか?」という質問に不自然な間があり、ケイト様は解答を濁す。
⇒ ケイト様はシャドーが「人」であるかどうか知っている可能性がある。
P25
・[シャドー][生き人形]「シャドー家の"生き人形"はただのメイドではない」
⇒ シャドー家ではない家のメイドの存在が示唆されている?
P26
・[シャドー][生き人形]生き人形はシャドーの"顔"の替わりの役目がある。
P28
・[生き人形]人形であるがエネルギー補給のため食事が必要。
⇒ 食事について「人形ですから」と答えていることから、人 or シャドーが食事をすることをエミリコは知っている。
3話:説明書
P32
・[シャドー][生き人形]就寝前に生き人形はシャドーの頬にキスをする習慣がある。
P33
・[生き人形]シャドーの部屋から「すす取りの間」を挟んで階段を下りたところが生き人形の部屋。
P33
・[生き人形]生き人形の部屋には机、たんす、化粧台の他、棺が置いてある。
P34
・[生き人形]顔の見えない人形が洗濯済の服やパンを生き人形の部屋に運んでくる。
P35
・[生き人形]生き人形の部屋には生き人形の説明書がたくさん貼ってある。
・[生き人形]「シャドー家はすばらしい貴族である」「生き人形はシャドー家に仕えることが幸せである」ということを生き人形(エミリコ)は最初から知っている。
P36
・[生き人形]説明書には掃除に関する説明などの説明書もある。
P37
・[生き人形]人形であるが睡眠はとる。
・[生き人形]就寝の際、部屋に置いてある棺の中に入る。
⇒ 「生き」人形であるが、これではまるで死んだ人間のよう。
P38
・[生き人形]生き人形(エミリコ)の部屋には光が射さない。
P41
・[シャドー]寝ている間はすすが出る。(ケイト様談)
4話:すすだるま
P51
・[生き人形]シャドーの"顔"である生き人形にとって、身なりを整えるのも仕事。
5話:空腹
P63
・[生き人形]生き人形には味覚がある。
6話:鏡
P71
・[生き人形]体の洗い方を知らない。(エミリコ)
P72
・[シャドー][生き人形]エミリコが鏡で見える部分しか洗っていなかったことについて、まだ「お披露目」前だからいいけど、とケイト様が語る。
⇒ この先「お披露目」というイベントが発生することを示唆している。
・[シャドー][生き人形]シャドー全員に生き人形がついているわけではない。生き人形がつく前の単独のシャドーも存在するということ。
・[シャドー][生き人形]タイミングはそれぞれだが生き人形がついたら成人と認められる(ケイト様談)
P75
・[シャドー]化粧を塗ってもすぐにすすで黒く染まってしまう。
⇒ 化粧箱が備わっているのは"顔"のため?
P77
・[シャドー][生き人形]生き人形にシャドーの服を着せるのは禁止事項。
⇒ 罰則はあるのか? 他に禁止事項はあるのか?
P80
・[シャドー][生き人形]シャドーには顔がないため、生き人形の感情でシャドーを操作し得ることを示唆している。
7話:別の顔
P88
・[生き人形]生まれて間もない生き人形はシャドー(とそこから繋がる生き人形)の部屋だけで生活している。
・[生き人形](生活に?掃除に?)慣れてくると外の掃除に呼ばれるようになる。
8話:部屋の外には
P94
・[生き人形]生き人形の部屋には廊下に出る扉があるが、普段は鍵がかけられている。
・[生き人形]生まれてからある程度慣れてきた生き人形は「部屋の外の掃除の日」に廊下に出る鍵が開けられて、部屋の外の掃除を行う。
P95
・[シャドー][生き人形]名前の知らないシャドーのことは「お影様」と呼ぶ。
P96~P97
・[生き人形]このページの広間だけでも35、6人程度の生き人形が存在する。
⇒ つまり総数はそれ以上。
P99
・[生き人形]部屋の外の掃除の日では班に分かれて行動する。
⇒ 規模は4人前後?
・[生き人形]生き人形はそれぞれ個性が異なることがうかがえる。
P103
・「今日はお湯につかって汚れを落とせるわ」
⇒ 普段は部屋に備え付けの蛇口から出る水で体を洗っているが、部屋の外の掃除の日にはお湯に浸かれる模様。
9話:すす取りの間
P108
・[生き人形]生き人形とシャドーの部屋の間にあるすす取りの間では、身体についたすすを強風で吹き飛ばす。
P109
・[シャドー]シャドー(ケイト様)はすす取りの間のことを知っているわけではない。
P116
・[シャドー]すすは出るけどすすで出来ているわけではない。(ケイト様談)
10話:落ちない汚れ
P124
・[シャドー]ケイト様が激怒して天井にこびりついたすすが掃除しても落ちない。
⇒ シャドーの感情によってすすの性質に変化が起こることを示唆している。
P126
・[シャドー][生き人形]説明書の文言で「生き人形はシャドー家の役に立たなければならない」とある。
P130
・[シャドー]いくら掃除しても落ちなかったすすが崩れ落ちる。
⇒ ケイト様の感情が落ち着いたためと思われる。ここでもシャドーの感情によってすすの性質に変化が起こることを示唆している。
11話:お披露目前の二人
P137
・[シャドー]「あらら 見ない顔ね まさかお披露目前かしら」というサラ様のセリフと、P133~P136の周囲を警戒して移動するケイト様の姿から、「お披露目」前のシャドーは勝手に部屋の外に出られないことが推測される。また、反対に、「お披露目」後のシャドーたちには交流があることも同時に推測される。さらに、「お披露目」前のシャドーのことは、「お披露目」後のシャドーも(交流がないため)知らないことがうかがえる。
・[シャドー][生き人形]生き人形はシャドーの顔の役割を担い、シャドーに合わせた表情、行動を行う。
・[シャドー][生き人形]「ケイトったら青ざめちゃって」というセリフはエミリコを見て言っている。シャドーの"顔"は生き人形であるため。
P140
・[シャドー][生き人形]出来損ないはいずれ「偉大なるおじい様」に処分される。(サラ様談)
P141
・[シャドー]「失態を告げ口したりしない」というサラ様のセリフより、「お披露目」前のシャドーが勝手に部屋の外に出ることには本来何らかのペナルティがあることが示唆されている。
・[シャドー][生き人形]どんな生き人形がつくかはシャドーには選べない。(ケイト様談)
P142
・[生き人形]途中、下屋根、生垣があったとはいえ、2階(?)から落下してひざを擦りむくだけで済んでいる。(エミリコ)
12話:汚しながら
P150
・[シャドー]すすが出て、触れるもの何もかも汚してしまうシャドーの性質について、ケイト様は悲しみを感じている。
⇒ 他のシャドーについては不明だが、そういうシャドーもいるということ。