シャドーハウス: アンソニーの「そして次はエドワードの出番だね」について

こんにちは、タナカなかなかいいコタローです。

 

今回はシャドーハウス156話「束の間」でのアンソニーの「そして次はエドワードの出番だね」について考えていきたいと思います。

 

アブストラク

本記事ではアンソニーの「そして次はエドワードの出番だね」について、その出番とは何を指すものなのか検討した。まずはこのセリフに関連する人物であるアンソニーエドワードの行動履歴を整理している。その上で、該当セリフの直後にエドワードが登場することから、そのシーンを「エドワードの出番」と捉えることが素直な解釈であると指摘する一方、アンソニーがわざわざ言及するほどの出番ではないのではないかと疑問を呈している。具体的にアンソニーの発言前後のエドワードの行動を取り上げ、アンソニーの発言の直前のエドワードの行動の方が「エドワードの出番」と称するにふさわしいことを指摘している。では一体「エドワードの出番」とは何を指すのか探るべく、ヒントとして件のセリフの枕についている「そして次は」という言葉に着目した。「そして次は」とは辞書的な意味として、「前述に起きた何かしらの事柄を受けて、それに続いて発生する事柄」を指していることから、件のセリフの直前に起きた出来事に注目した。すると、件のセリフの直前に「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるようルイスを使って誘導」するイベントがあったことが判明した。その出来事を受けて「次はエドワードの出番」と称していることから、筆者は「エドワードの出番」とは「ケイトが困って自分に助けを求めるようなピンチな状況をエドワードが作ること」と結論づけた。具体的なエピソードはまだ発生していないと考えており、現時点ではルウルイーズ奪還作戦の中で発生するのではないかと予想して本論を締め括っている。

また、補足としてアンソニーエドワードが共謀しているのではないかという説への反証や、本記事作成にあたって調査した副産物としてサラがバーバラの代替エネルギー説の可能性が確実になったことにも触れる。

 

アンソニーエドワードの行動の整理

考えていくにあたって、まずは関連する人物として、アンソニーエドワードの行動を、時系列に沿って整理していきたいと思います。本段落では個人的主観抜きにした事実を並べますので、皆さんも(この件に関わらず)自身の考察の参考にしてみてください。だいぶ古いところから遡りますが、アンソニーが最初にケイエミの前に姿を現してからのアンソニーエドワードの行動をまとめます。本論と関係ない行動も含まれますが網羅性を重視しているためで、ご了承願います。

便宜上、アンソニーの行動は水色エドワードの行動は黄色で記載します。文末に話数を載せているのでご自身で確認する際にご参照ください。太字下線付きの文章は、個人的に重要そうだなと思ったポイントなので特に気にしないで大丈夫です。

 

マリーローズ転落後、ケイトの部屋でケイエミの前に姿を表す。アンソニーの行動目的をケイトに問われ「それは一緒のはずだよ」「君が僕の「生徒」になってくれればこどもたちの棟を統率して館に対抗できる時が来るだろう」と告げて去っていく。(79話)

明日こどもたちの棟に視察に向かうことをジョセフに報告する。現状バーバラのすす出しは必要不可欠と考えている。(86話)

こどもたちの棟に視察に来る。1ペアずつこども達を自分のセダンに入らせ何かを会話する。(87話)

サラをセダンに迎え入れた際、「お前にはがっかりしている」「あの班で一番不出来なのはお前だ」とサラに告げる。結果サラは大量のすすを吐き出してセダンから泣きながら飛び出して行った。(87話、88話)

補充の”特別な珈琲”を星つきたちに渡す。「シャドーハウスの幸せな暮らしを壊そうとする者がいる」それを止めるために「君たちの力が必要なんだ」とサラミア、ダグダグに甘言を吹き込み仲間に引き入れる。(89話)

サラミア、ダグダグからの報告でこどもたちが2週間以上”特別な珈琲”を飲んでいないことを知った旨を、アイリーン、ジェラルドに共有する。また、89話において補充で渡した”特別な珈琲”を翌日喜びの会で振る舞うように星つきに指示を出した。その結果がどうなるか報告を待つことにした。(90話)

サラミア、ダグダグというエドワードの作った内通者コンビの会話を盗み聞きする。(94話)

こどもたちの棟への視察から帰ってきて何らかの報告をジョセフに行い「ほう…それは本当か」と言われ、館外へのお遣いの許可を得る。(115話)

サラから「喜びの会で”特別な珈琲”が振る舞われなかったこと」「深夜に怪しい会合を開く動きがあったこと」をすすバト経由で報告を受けるが、アイリーン曰く「ゴミ以下の報告」と切り捨てられ、エドワード自身も「もともと(内通者として)期待していない」と述べる。一方で「それよりも大切な役割がある」と付け加える。また、エドワード、アイリーン、ジェラルドの3人に館外への”お遣い”の指示がでたことを共有する。”お遣い”の目的が島内の視察ですぐには戻れないことからルイスにこどもたちの棟の管理を一時委任する。ルイスが「最高の世代」について触れたがジェラルドは「その肩書きは嫌い」でアイリーンは「あいつ(クリストファー)は口だけだった」、エドワードは「そうだ」と二人の意見を肯定した(116話)

こどもたちの棟の管理者という立場を利用してテイラー(校長)を丸め込む。テイラー以外の館外の勢力も同様の手口で固めていくと述べる。(117話)

「本日から数日間こどもたちの棟の管理者をルイスに代行してもらい、すぐにルイスに視察に向かわせる」と星つきに手紙を送る。(118話)

バーバラがエドワードのルール違反(星つきを通さずこどもと連絡を取っていること)を告発しようとしていることや、トマスがこどもたちの棟ですす能力について開示してしまったことについて、ルイスからすすバト経由で報告を受け取る。大人のなかにルイスが頼れるものは自分たちの他にいないと思っている(149話)

ルイスと面会する。ルイスを「優秀な僕の「生徒」だ」と述べる。また「僕たちの計画が現実味を帯びてきた」と述べる。そして「次にすべきことは?」という問いにルイスが「そろそろこどもたちの棟にも生徒が必要?」と回答すると「正解」と述べる。そして、こどもたちの棟の「生徒」としてケイトを目星にしていると言う。そして「近いうちに必ずあの子は僕の生徒になりたいと請うだろう」と述べて去っていく。なお、ルイスの認識では「私が最初の生徒」であり、仕えているのは「クリストファー様」らしい。(149話)

エドワード告発のために本来トマスに面会しにきたバーバラの前に姿を現す。クリストファーが一体化の儀式に失敗しすでに死んでいることをバーバラに突きつけ暴走状態に陥らせる。(152話)

暴走状態でこのままではバーバラの体が一日持たないかもしれないと聞いて途方にくれるケイトの前に顔のない生き人形の姿で現れる。(154話)

バーバラの前に姿を現し、ケイトのすす能力でコーティングしてもらい「クリストファー」に扮することで、バーバラの発作を食い止める。(155話)

154話でケイトの前に姿を現した際、エドワードがバーバラにクリストファーの死を突きつけたことをケイトに教えていたことがわかる胸元に恩恵の欠片を入れたケースをぶら下げて館のどこかでケイトについて「君はもっと僕のことを頼りたくなるよ」と述べる。「そして次はエドワードの出番だね」と述べる(156話)

おじい様、3階の方々に謁見する。トマスが無断でこどもたちにすす能力に関して開示していたことを報告し褒めてもらう。”お遣い”の感想を聞かれ「シャドーハウスがいかに素晴らしい館であるか実感した」と答える。また明日の朝「お迎え」をすると宣言する。(156話)

星つきを通さずルウルイが「お呼ばれ」されたことを、ケイトに手紙で事後報告する。(157話)

マギーを利用した恩恵の欠片の実験によって、「適切に使用すれば大人に立ち向かうために十分効果が期待できるということが証明された」と述べ、マギーを始末する。そして「そろそろ次のお披露目だね」と述べる。(164話)

マーガレットの事件が起こっている最中、星つきの仕事の内容の説明やサラが「特別な使命を与えられておじい様と共にある棟で暮らすことになった」ことや、星つきの最初の仕事は「お披露目」であることをケイトに説明していた。(165話)

「特別な生き人形」と称してお披露目の開始を宣言する。(169話)

スタンプラリーの始まりを宣言する。(172話)

控えの星つき達の元に現れて、「予定変更」を告げる。(173話)

ケイトのスタンプ獲得試験にサラを監視役として送り込む。(176話)

ステラのスタンプ獲得試験失敗を予期していて、キャンディとエミリコに再試験を受けさせる。(181話)

キャンディとエミリコが侵入者であるとおじい様、3階の方々に報告する。(183話)

”お遣い”に行かせてもらえたのは「バーバラの代替エネルギーを見つけたことの褒美」だと判明する。エミリコとキャンディに関する調査状況を説明し、こどもたちの棟の徹底的な調査許可を要望するが、ジョセフによってあしらわれ、ジョセフ、そしておじい様にも持ち場に戻れと怒られる。(184話)

こどもたちの棟の徹底的な調査許可が得られず不機嫌。ダグラスに対し、エミリコとキャンディが館外からの侵入者であり、こどもたちの棟に反乱分子がいることを開示する。(185話)

 

素直な解釈

以上、アンソニーエドワードの行動をまとめましたが、問題の「そして次はエドワードの出番だね」という発言の後、実際の紙面上ですぐ次のページでエドワードが登場しているので、その場面を指していると考えるのが素直な解釈と言えるでしょう。具体的に切り出して見てみると、その「エドワードの出番」ではエドワードは以下のような行動を取っています。

 

おじい様、3階の方々に謁見する。トマスが無断でこどもたちにすす能力に関して開示していたことを報告し褒めてもらう。”お遣い”の感想を聞かれ「シャドーハウスがいかに素晴らしい館であるか実感した」と答える。また明日の朝「お迎え」をすると宣言する。(156話)

 

わざわざ先生がご丁寧に実誌面上ですぐ次のページにエドワードを登場させているのですから、素直に受け止めるならこの解釈となるでしょう。

違和感

しかし、わざわざアンソニーが出てきて「次はエドワードの出番だね」と言うほどの出番かというと微妙じゃない? という違和感がそもそもこの記事を書くことに決めたモチベーションです。また、「そして次はエドワードの出番だね」というセリフの前後の行動までみると、その違和感は一層深まります。

その違和感をはっきりさせるため、例の「次はエドワードの出番だね」というセリフの前後のエドワードの行動を抜き出してみました。

 

【例のセリフの直前のエドワードの行動】

エドワード告発のために本来トマスに面会しにきたバーバラの前に姿を現す。クリストファーが一体化の儀式に失敗しすでに死んでいることをバーバラに突きつけ暴走状態に陥らせる。(152話)

【例のセリフの直後のエドワードの行動】

おじい様、3階の方々に謁見する。トマスが無断でこどもたちにすす能力に関して開示していたことを報告し褒めてもらう。”お遣い”の感想を聞かれ「シャドーハウスがいかに素晴らしい館であるか実感した」と答える。また明日の朝「お迎え」をすると宣言する。(156話)

 

いかがでしょうか? 皆さんも言いしれない違和感を覚えないでしょうか? 【例のセリフの直前のエドワードの行動】は、元を辿るとアンソニーの「生徒」であるルイスが裏で糸を引き、バーバラの告発をトマスに直接行わせようとしていてその実、情報をエドワードに垂れ流していたため、バーバラはトマスではなくエドワード本人に告発の件で面会することになっています。つまり、【例のセリフの直前のエドワードの行動】は、アンソニー派の暗躍によって発生した行動であり、アンソニー目線からするといかにも「エドワードの出番だ」と言うべきイベントです。このイベントでは館の重要なエネルギー源であるバーバラが危うく命を落としてしまうような出来事でしたが、そんなイベントと比較すると、【例のセリフの直後のエドワードの行動】は何ともチープです。これだったら敢えて「次はエドワードの出番だね」というセリフを入れるなら、【例のセリフの直前のエドワードの行動】の前に差し込まれていたってよかったではないかと思うのです。しかし実際はそうではなく、敢えて【例のセリフの直後のエドワードの行動】の前に例のセリフを挟んだのです。ここに何か強烈に隠された意図を感じてしまいます。しかしその一方で【例のセリフの直後のエドワードの行動】を指すという素直な解釈では満足できないとなると、一体全体アンソニーの言う「エドワードの出番」とは何を指すのでしょうか?

なんの手がかりもなければしらみつぶしに以降のエドワードの行動履歴を全て該当するかどうか検討していくことになりますが、その前にもう一つ、この件で与えられているヒントを頼りにすべきでしょう。それは「エドワードの出番だね」というセリフの枕についている「そして次は」という言葉です。

 

「そして次は」

【そして】接続語

 意味①前述の事柄を受け、それに継続して、あるいはその結果生じる事柄を導く。

 意味②前述の内容を受けて、さらに付け加えることを表す。

【次】

 意味:すぐあとに続くこと。また、そのもの。

 

つまり、「そして次は」とは、前述に起きた何かしらの事柄を受けて、それに続いて発生する事柄を指しているといえるでしょう。となると、「そして次はエドワードの出番だね」というセリフは、前述に起きた何かしらの事柄を受けてそれに続いてエドワードに出番がある、ということになります。ということは、「エドワードの出番」とは「前述に起きた何かしらの出来事」と密接な関係があるものといえるでしょう

 

前述に起きた何かしらの出来事

前述に起きた何かしらの出来事とは何でしょうか? 行動履歴を元にある程度細かく要素に分けて箇条書きすると以下のような出来事が挙げられます。

ルイスを暗躍させ、結果としてエドワードにバーバラを暴走状態に陥らせる。

バーバラの暴走状態を前に途方に暮れるケイトの前に姿を表す。

バーバラの暴走の原因は、エドワードがバーバラにクリストファーの死を突きつけたことであるとケイトに説明する。

バーバラの前に姿を現し、ケイトのすす能力でコーティングしてもらい「クリストファー」に扮することで、バーバラの発作を食い止める。※これは実質、途方に暮れていたケイトの助けになる行動である。

館のどこかでケイトについて「君はもっと僕のことを頼りたくなるよ」と述べる。

 

ここまで分解してくると、前述に起きた何かしらの出来事、そしてそれに続くべき出来事が何であるのか朧げに見えてくるかと思います。しかし、結論を急ぐ前にアンソニーのそもそもの目的を整理してみたいと思います。「そして次はエドワードの出番だ」というセリフでエドワードに与えた役目も、アンソニーの目的と関連していると考えられるからです。

 

アンソニーの目的

大きな見出しですが、ぶっちゃけるとまだアンソニーの目的の全貌は把握できていませんw ただ、アンソニー自身の語っている内容から輪郭は見えてくるかと思います。

 

・「君たち(ケイエミ)には期待している」(79話)

・「戦い続ける意思のない者に用はない」(79話)

・「君(ケイト)にはリーダーの資質がある」(79話)

・ケイトに「貴方の目的は何?」と問われて「それは一緒のはずだよ」と答える。(79話)

※ケイト様の目的を聞きもせずこんなこと言っているのでとんだ勘違い野郎です。

・「君が僕の「生徒」になってくれればこどもたちの棟を統率して館に対抗できる時が来るだろう」(79話)

・「君(ケイト)には僕が必要だ」(79話)

・「大人達の均衡が崩れ こどもたちは惑い 皆が救世主を求め始めている」(149話)

・ルイスが暗躍してくれているおかげで「僕たちの計画が少しずつ現実味を帯びてきた」(149話)

・次にやるべきことはこどもたちの棟にも「生徒」を用意することで、ケイトに目星をつけている。(149話)

・「近いうちに必ずあの子(ケイト)は僕の生徒になりたいと請うだろう」(149話)

・「君(ケイト)はもっと僕のことを頼りたくなるよ」(156話)

・恩恵の欠片を適切に使用すればこどもたちが大人に立ち向かうのに十分効果が期待できることがわかった。(164話)

 

ずらっと並べてみましたが、もっともアンソニーの目的に近そうなのは「救世主」だと思います。149話を読み返すと、「救世主を求め始めている」→「僕たちの計画が少しずつ現実味を帯びてきた」という風に読めます。つまり、アンソニーはこどもを大人たちにけしかけ、生じた混乱の中、救世主として館の主に君臨しようとしているのではないでしょうか? この辺の話はまた別でしっかり考えたいと思います。兎にも角にも、アンソニーの計画が現実味を帯びてきた中で、次にアンソニーが狙っているのはケイトを自分の「生徒」にすることのようです。上にずらっと箇条書きした中でも明白なように随分ケイト様にご執心な様子です。そして、件の「そして次はエドワードの出番だ」という発言の直前には、暴走するバーバラを前に途方に暮れるケイトの前に姿を現して、ケイトの助けになるために、バーバラの前に姿を現し、クリストファーの姿を扮してバーバラを助けます。しかしこの状況を生み出したのは何を隠そう、アンソニーの「生徒」であるルイスの暗躍あってのことです。つまり、バーバラの暴走状況は、アンソニーがルイスを使い、ケイトがアンソニーを頼る状況を作り出すためのものだった、と捉えることもできます。どうでしょうか、何としてでもケイトに自らアンソニーに頼る方向に持っていきたいように見えないでしょうか。こうしてみると、アンソニーの目下の目的は「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるよう誘導すること」と考えられるのではないでしょうか。そしてここまで読んできた方なら分かるとおり、何と例の発言をする直前のアンソニーの行動というのがまさしく、「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるようルイスを使って誘導」する行動でした。

 

「そして次はエドワードの出番だね」の意図するところ

前段でアンソニーの目下の目的は「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるよう誘導すること」であり、「次はエドワードの出番だね」発言の直前に事実「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるようルイスを使って誘導」する行動を取っていたことを述べました。ここまできてようやく、前段までに行った考察を元にして、いよいよ本題の「そして次はエドワードの出番だね」を考えていきたいと思います。

「そして次は」の段落で考えたことは、「エドワードの出番」とは「前述に起きた何かしらの事柄」を受けて「それに続いて行われるべきこと」ということです。ここまでに見てきた内容と照らし合わせると以下の等式が成り立ちます。

 

「前述に起きた何かしらの事柄」=「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるようルイスを使って誘導したこと」

 

そして「エドワードの出番」が「前述に起きた何かしらの事柄」を受けて「それに続いて行われるべきこと」であるならば、それは上記の等式を踏まえて言い換えると「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるようルイスを使って誘導したこと」、「それに続いて行われるべきこと」ということになります。再度等式で書くと以下の通りです。

 

エドワードの出番」=「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるようルイスを使って誘導したこと」、「それに続いて行われるべきこと」

 

となると、「エドワードの出番」とは「ケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるようルイスを使って誘導したこと」と密接に関係する内容であると考えられ、そうすると「それに続いて行われるべきこと」とは「今度はエドワードを使ってケイト自らの意思でアンソニーの生徒になるよう誘導すること」を意味するのではないでしょうか?

この考えをもっと簡単に表現するならば、「ケイトが困って自分に助けを求めるようなピンチな状況をエドワードが作ること」を「エドワードの出番」と言っているのだと考えます。

 

結論:エドワードの出番

前段を踏まえて「エドワードの出番」を考えてみると、この記事を書いている最新186話時点までのエドワードの行動ではケイト様はまだ何とか自分たちでピンチを乗り切れている状態なので、アンソニーの言っている「エドワードの出番」はまだ訪れておらず、これからやってくるものだというのが僕の考えです。

では、それが具体的にいつなのかというと、現時点で最も有力なのはルウルイーズ奪還作戦となるでしょう。奪還作戦を遂行する中でエドワードによる妨害でケイト様がどうしようもなくなったところでアンソニーが助けに入り、よりケイト様がアンソニーを頼らざるを得なくなっていく展開が描かれるのではないかと考えます。

 

以上、長々と書いて結論それかよ、って感じかもしれませんが、僕は「そして次はエドワードの出番だね」を以上のように解釈いたしました。皆さんも是非、色々こねくり回して考えてみてください!

 

補足:アンソニーエドワード共謀説?

チラとアンソニーエドワード共謀説というものを見かけた覚えがあり、そうすると「次はエドワードの出番だね」というのも共謀している味方への言葉という見え方もします。しかしこの説は個人的にはないだろうと考えています。根拠としてアンソニーエドワードの行動まとめの段落から抜き出すと、以下のような行動がありました。

ルイスが「最高の世代」について触れたがジェラルドは「その肩書きは嫌い」でアイリーンは「あいつ(クリストファー)は口だけだった」、エドワードは「そうだ」と二人の意見を肯定した(116話)

ジェラルドとアイリーンの上記言動を肯定するということは、すなわちエドワード・アイリーン・ジェラルドの3人の中でクリストファーの死は確定しており、クリストファーの理想は間違いで自分たちが正しいという共通の認識が形成されていると思われます。したがって、現状アンソニーエドワードが協力関係にあるとは考えにくいと思います。

 

大人のなかにルイスが頼れるものは自分たちの他にいないと思っている(149話)

 

加えてルイスがアンソニー(クリストファー?)に仕えていることも知らずに「大人のなかにルイスが頼れるものは自分たちの他にいないと思っている」のですから、なおさらアンソニーエドワードの協力関係は現状認め難いでしょう。

補足:今回の考察を行う上で分かった副産物、サラについて

今回考察を行う上で、アンソニーエドワードの行動履歴をまとめましたが、その中で悲しい考察が間違いないものとなってしまいました。それは、「サラがバーバラの代替エネルギーである」ことです。根拠となるところを、アンソニーエドワードの行動をまとめた段落から抜き出すと以下のものが挙げられます。

 

明日こどもたちの棟に視察に向かうことをジョセフに報告する。現状バーバラのすす出しは必要不可欠と考えている。(86話)

サラをセダンに迎え入れた際、「お前にはがっかりしている」「あの班で一番不出来なのはお前だ」とサラに告げる。結果サラは大量のすすを吐き出してセダンから泣きながら飛び出して行った。(87話、88話)

こどもたちの棟への視察から帰ってきて何らかの報告をジョセフに行い「ほう…それは本当か」と言われ、館外へのお遣いの許可を得る。(115話)

サラから「喜びの会で”特別な珈琲”が振る舞われなかったこと」「深夜に怪しい会合を開く動きがあったこと」をすすバト経由で報告を受けるが、アイリーン曰く「ゴミ以下の報告」と切り捨てられ、エドワード自身も「もともと(内通者として)期待していない」と述べる。一方で「それよりも大切な役割がある」と付け加える。(116話)

エドワード告発のために本来トマスに面会しにきたバーバラの前に姿を現す。クリストファーが一体化の儀式に失敗しすでに死んでいることをバーバラに突きつけ暴走状態に陥らせる。(152話)

マーガレットの事件が起こっている最中、星つきの仕事の内容の説明やサラが「特別な使命を与えられておじい様と共にある棟で暮らすことになった」ことや、星つきの最初の仕事は「お披露目」だとケイトに説明していた。(165話)

”お遣い”に行かせてもらえたのは「バーバラの代替エネルギーを見つけたことの褒美」だと判明する。(184話)

 

以上の情報を整理すると、エドワードはこどもたちの棟への視察前まではバーバラが館にとって必要なエネルギー源と考えていたが、こどもたちの棟から帰ってきた時にジョセフに「バーバラの代替エネルギーを見つけた」と報告したことで褒美として”お遣い”の許可をもらっています。

こどもたちの棟での視察では、サラに意図的に暴言を吐き大量のすすを吐きださせ、その後ダグラスとともに内通者として引き込んでいます。しかしサラに内通者としての行動に期待してはおらず、サラにはそれよりも他に大切な役割があると述べます。そして現在に至ってはサラは特別な使命を与えられておじい様と共にある棟で暮らすことになっています。

こうして整理してみると、悲しいほどにサラ=バーバラの代替エネルギーという図式がくっきりと見えてしまいます。。。

バーバラの完全な代わりになるのかという点がまだ分かりませんが、こどもたちの中でも指折りのすす量を持つと目されていましたし、エドワードがこどもたちの棟で視察した際に、サラに暴言を吐いてすすを吐き出させたのも、敢えてすす量が多い者に暴言を吐いてすすを吐き出させて、その量を測っていたのではないかと考えられます。その結果、ある程度代替する能力があると見込んだのではないでしょうか?

また、同じ立場であったダグラスはなぜ選ばれなかったのかというところもはっきりとはわかりませんが、サラは無能力者であるということが一番大きな要因ではないかと思います。一体化にまつわる話の中で、すす能力を持つものだけが一体化ができるのでは? という話がありました。館は現在すす能力を持つ人材、すなわち一体化して大人になれる人材を求めているので、すす能力者のダグラスはその点で価値を見出されているのでしょう。一方ですす能力を持たないサラは一体化して大人になることが見込めないため、せっかくのすす量を活かすためにすす出し要員として登用することにしたのではないかと考えています。

 

最後に

以上、今回は長々となりましたが今回の記事はここら辺とさせていただきます。一つのセリフから妄想けたたましく長々文章を書き連ねてしまい、ここまで読んでくれた方には本当に「ありがとう」という気持ちと「お疲れ様でした・・・」という気持ちでいっぱいです。。。

この他にもアンソニーの真の目的はなんなのかとか、アンソニーとクリストファーは実は一体化成功している?!とか、ジョセフの目的は何なのかとかおじい様の正体とか、ミラーハウスを襲った首謀者は何者なんだとか、色々考察要素はたくさんあるので、ちょこちょこ材料が集まってくればまた考えていきたいと思います!

 

それではまた別の記事でお会いしましょう!